(文・出村謙知)
“第2の6カ国対抗ラグビー”という位置付けにある、欧州で行われている大会がある。
ラグビーヨーロッパチャンピオンシップ(REC)。
最も人気のあるカードの収容人員では6カ国対抗にも匹敵する(今季のジョージア−ロシア戦で5万5000人の観客動員を記録)この大会の2017年王者となったのがルーマニアだ。
去る3月19日に行われた今季最終節。ジョージアをブカレストに迎えたルーマニアは大型FW同士のタフバトル戦を制して8−7で辛勝。RECとしては初代となる王者に輝いた。
現在のワールドラグビー世界ランキングでは16位。現状の実力では同12位のジョージア、あるいは6カ国対抗組のイタリア(同15位)と変わらない実力を持っているのが“オークス(Oaks)”ことルーマニア代表と言っていいだろう。
歴史的にも、過去8回のラグビーワールドカップにも全て本大会出場を果たしており、欧州第2グループを先導してきた。
何と言ってもルーマニアラグビーの特徴はスクラムの強さにある。
「けちょんけちょんにやられた」というのは、日本代表最多キャップを誇るLO大野均が12年11月のアウェー戦のあとで語ったルーマニアのスクラムに対する印象だ。
今季のRECで主将を務めたPRミハイツァ・ラザルなど、FW陣は歴史的につながりの深いフランスなどで鍛えられている選手が多い一方、SOジョディ・ローズ(南アフリカ)、CTBジャック・ウマガ(ニュージーランド)などBKのキープレーヤーには南半球出身者も含まれ、泥臭さだけではないスマートなスタイルでの戦い方も模索中。
日本とは過去5回対戦(95、05年=東京、04、12、14年=ブカレスト)して日本の4勝1敗という成績が残っている。