リポビタンDチャレンジカップ2017 第3戦
日本代表 − アイルランド代表(6月24日、味の素スタジアム=第2テスト)マッチサマリー
(文・出村謙知)
課題を修正し、攻守両面で進歩を示すも
あと一歩の精度の差が出て金星は奪えず
1週間前の第1テストで出た課題はしっかり修正した。
「クオリティは示せたし、相手にプレッシャーもかけることができた。体格差をものともせず、ディフェンスも良かった。ブレイクダウンもスローにできる場面もあった」(ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ)
「アイルランドの1戦目はメンタルが足りなかった。今回はそこを修正して、スタートから最後までよく戦った。ラグビーの原点、戦うこと。ブレイクダウン、よくなった」(FLリーチ マイケル主将)
前週に比べて前に出る姿勢が顕著だった日本は、開始早々に代表復帰を果たしたベテランLOトンプソン ルークが敵陣でビッグタックルを決めてブレイクダウンでボールを奪い、いきなり主導権をつかむチャンスを迎えたが、いきなりここで痛いミスが出る。
ターンオーバーボールをBK展開しようとしたパスが乱れて、転がったところをアイルランドCTBギャリー・リングローズに拾われて、そのまま独走トライを許してしまう(前半3分。SOパディ・ジャクソンのゴールも決まり0−7)。
11分には、自陣深くでアイルランドFWにモールを組まれたが一歩も引かないDFでそのまま押し切らせることは避けたが、その後もしっかりフェイズを重ねたアイルランドに最後は大外のスペースを攻められて連続トライ/ゴールを許してしまう(0ー 14)。
日本も15分にSO小倉順平がPGを決めて3点を返すが、17分にアイルランドSHキーラン・マーミオンがゴール前ラックから冷静に飛び込んで3トライ目(ゴール成功)を奪い、最初の20分間で21ー3とリードしたアイルランドに軍配が上がるかたちとなった。
それでも、24分にはラインアウトからFL松橋周平、LOヘル ウヴェが大きくゲインしてアイルランドゴールに迫った後、素早くSH流大→SO小倉→CTB松島幸太朗と繋いで初トライを奪うが、アイルランドも30分にゴール前スクラムからFWのダイレクトプレーを重ねて4トライ目。アイルランドが20点をリードして(8ー28)前半を折り返した。
後半に入って、アタック時間の長くなった日本は、サイドが変わった直後にFL松橋がトライラインを越えるシーンもあったが、TMOの結果、その前のプレーでノックオンがあり、トライは認められず。
ようやく22分に、途中出場していたSO松田力也のグラバーキックが相手DFに当たり、こぼれ球を腕に収めるかたちになったWTB山田章仁が左隅に飛び込んだ(ゴール失敗で13ー28)。
その後も、日本がアイルランドゴールを脅かすシーンは続いたが、あと1歩のところで世界3位のDFを崩せず、逆に終了間際にアイルランドに1トライを加えられ、最終スコア13ー35で敗れた。
「タフな試合だった。今日の日本はフィジカルだしスピードもあった。ボールを持った時にはテンポもスキルもある。ツアー最終戦は勝つのがとても大変な試合となった」(アイルランドFLリース・ラドック主将)
アイルランドを追い詰める場面も多かっただけに、日本代表にとって2年3ヶ月後の再戦に向けてポジティブになっていい面も少なくなかったことは確かだろう。