リポビタンDチャレンジカップ2017 第2戦
日本代表 − アイルランド代表(6月17日、エコパスタジアム=第1テスト)マッチサマリー
(文・出村謙知)
後半3トライを奪って大観衆を沸かせるも
フィジカル面で後手に回り50失点での敗戦
主力組がブリティッシュ&アイリッシュライオンズのメンバーとしてニュージーランド遠征中で不参加とはいえ、昨秋オールブラックスを破り、今年の6カ国対抗ではイングランドにも土をつけたアイルランドの強さは本物だった。
立ち上がりから、セットプレー、ブレイクダウンといったコンタクトエリアでの優位性を生かして憎いほど落ち着いた試合運びを見せて、前半6分にSOパディー・ジャクソンのPGで先制した後、11分にはハーフウェイライン付近での日本ボールのスクラムをターンオーバーしてNO8ジャック・コナンからWTBキース・アールズへとボールをつないで初トライ。
24分にも、ラインアウトからモールサイドをつくムーヴからFLダン・リーヴィーが日本ゴールに飛び込み、リードを広げた。
「キックが相手にとっていいボールになってしまい、自陣でプレーする場面が多くなった」
大学生ながら桜のジャージーの15番を着けて先発出場したFB野口竜司がそう振り返ったとおり、コンタクトエリアでの劣勢も影響して、日本のキッキングゲームはあまり機能せず、28分、31分とさらに2トライを重ねたアイルランドが31ー3とリードして前半を終了。
サイドが変わった後も、先にトライを奪ったのはアイルランド。
後半5分にNO8コナンがチーム5本目となるトライを奪って(ゴール成功)、アイルランドのリードは35点に広がった。
日本に初トライが生まれたのは後半19分。WTB福岡堅樹の快走で22mラインを突破した後、FWのダイレクトプレーでアイルランドゴールに迫り、最後はFB野口が落ち着いてDFギャップを突くかたちでインサイドブレイクしてトライラインを越えた。
36分にはスピードでアイルランドDFを外に振り切ったWTB福岡、38分にも途中出場でジャパンのアタックテンポを上げることに成功していたSH流大と、トライを重ねて、2万7000人を超える大観衆を盛り上げたが、その前にアイルランドが25分、32分とトライを奪っていたこともあって、点差は縮まらず、50ー22という最終スコアでアイルランドが快勝を収めた。